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顔への低周波通電治療を止めた 顔面神経麻痺症例 55歳 男性

2週間前の朝、顔に違和感を感じて脳神経外科を受診した。レントゲン検査では異常が見られずそのまま帰宅した。しかし午後になって顔の違和感をさらに感じるようになったため、翌日に昨日受診した脳神経外科を再度受診して顔面神経麻痺と診断された。そこではステロイドとビタミンB12にカロナールを処方してもらい「1週間後に来て下さい」と言われた。1週間後に行くとステロイドを減薬し、リハビリとして顔にビリビリとした電気を通す電気治療を指示され、昨日まで3日間毎日低周波通電治療に通っていた。

 

<初診時>

当院での顔面神経麻痺評価点数は10点。鼻以下の歪みはあるものの点数よりも比較的軽いように見えた。毎日顔への電気治療をしに病院へ通院しているとのことなので、鍼同士を繋ぐ形で限られた筋のみを動かす通電は有りかも知れないが、広範囲に低周波通電をおこなうと、後遺症である共同運動を助長させることが定説のようになっている事を伝えた。

 

<2回目>前回治療から6日後

今まで通院していた脳神経外科から、他の総合病院の耳鼻科に転院した報告を受けた。私から言われて患者さんご自身でも顔への電気治療について、ネットで検索して疑問を持たれ転院されたようだ。転院先の病院での聴覚検査は異常無し。顔への通電検査(ENOG)は15パーセントとのことであった。またステロイドの服薬を2週間分もらった。ビタミン剤は腎結石でかかりつけの内科にて出してもらったとのお話であった。

 

<3回目>前回治療から3日後

顔の印象が良くなっている。「目が閉じやすくなった」とのお話であった。

 

<4回目>前回治療から7日後 当院初診から17日後

顔面神経麻痺評価点数20点。点数チェックは本来1ヶ月に1度するようにしているが、随分良くなっているように見えたので点数チェックをしてみたら予想どうりに改善している。イーッと口を横に広げるのが可能になり、口の膨らましもかなり良い。水を含んで口からの洩れもほとんどなくなった。食べ物の口内の片寄りも随分改善しているとのお話であった。

 

<6回目>当院初診時から1ヶ月後 顔面神経麻痺発症から40日後

顔面神経麻痺評価点数30点。

 

<8回目>

顔面神経麻痺評価点数36点。。顔面神経麻痺発症から1ヶ月   と10日後

目をギュッと閉じるときに、見た目でわ判らないが、ご本人は健側に比べて頼りなさがある。

 

<14回目>顔面神経麻痺発症から3ヶ月と14日経過 当院初診時から3ヶ月経過

顔面神経麻痺評価点数40点の満点になった。見た目上、また検査上も問題ない状態で1ヶ月近く経過したが、ご本人も

ほぼ顔面神経麻痺発症以前の状態にまで回復したと判断され、後遺症状もほとんど出ておらず治癒とした。

 

(考察)

この症例では、当院での治療を開始してから1ヶ月と10日経過した時点で、外見上も顔面神経麻痺評価点数上でも略治に達している。その後の約2ヶ月は、ご本人が納得がいくまでの治療期間だったと言える。顔面神経麻痺評価的には中等度の顔面神経麻痺の部類だが、略治ではなく治癒といって良いほど回復した。

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