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顔面神経麻痺発症から1年経過して当院受診。急激に改善した顔面神経麻痺症例 49歳女性
ちょうど1年と8日前の朝。口元がなんとなく動きにくくて水がこぼれた為、肩凝りのせいと思い午前中に鍼灸院で首や肩にハリ治療をしてもらい自宅で横になって寝ていた。しかし症状がどんどん悪化する感じがする為翌日に病院の救急外来を受診した。脳のMRI検査に異常は見られず医師から「リンパにヘルペスの菌が入って動かなくなった」と言うような説明を受けた。同日入院しステロイドの点滴を9日間受けて退院した。3ヶ月後に顔の電気検査をした結果医師から「治るまでに半年ほどかかる」と説明された。この間病院から顔のリハビリのチラシを渡されたのでやっていたが、半年経ってもとても治った状態にはほど遠く、月日を経るに従い目と口の連動した動きが激しくなってきた。現在は顔面神経麻痺発症から1年が経ち病院の診察は2ヶ月に1回3分程度で終わる。良くはならなくてもこれ以上悪くならない為に当院をネットで調べて来院された。
<初診時>
当院での顔面神経麻痺評価点数は18点。左右目の大きさに明らかな差がある。前頸部のスジがつっぱる。瞬きで口元が動き、アイウエオ全てで瞼がほぼ閉じる。以上のような筋の拘縮や共同運動といった後遺症が顕著に見られる。治療は鍼灸治療のみをおこなった。
<3回目>
初診時から9日後、今までは顔の筋肉が特に夕方になると硬くなってくるのを感じていたが、それが柔らかくなってきている。
<6回目>当院初診時から27日経過
鼻スジから上唇下唇の中央ラインがかなりずれていたのが正中に揃ってきた。
<9回目>当院初診時から38日経過
顔面神経麻痺評価点数が26点にまでなり、40日足らずで急激に改善されている。
<10回目>
額のシワが出てきた。
患者さん曰く
「これ以上悪くならない為にここへ来たのに、すごく良くなった!」
<16回目>顔面神経麻痺発症から1年3ヶ月。当院初診時から3ヶ月経過。
顔面神経麻痺評価点数28点。当院初診時から比べて10点上がった。
<その後の経過>
当院初診から3ヶ月あたりまで顔面神経麻痺症状の急激な改善が見られた。しかしそれ以後は点数的な改善から、顔の引きつった感じや硬い表情から自然な温和な表情へと改善されていった。いわばハード面からソフト面への改善のように変わっていった。また患者さんも症状の改善に伴い治療よりも仕事を優先することが多くなり、月1回から2回と治療間隔が開くようになった為、初診時から8ヶ月を経過して略治とした。
(考察)
顔面神経麻痺発症から1年が経過して、陳旧性顔面神経麻痺の期間に入ってからの治療症例である。本来この時期は顔面神経麻痺評価点数的に上がることは難しく、せいぜい2点上がれば大きな改善である。むしろ点数より後遺症状が落ち着くよう治療と経過観察をする時期である。にも関わらず10点改善されたことは、患者さんも治療者側も驚いた症例となった。