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運転中に自覚した顔面神経麻痺の軽度症例  35才 男性

10日前の運転中に顔の違和感を感じ、その夜歯磨きの水が口から洩れるようになった。翌日病院を受診すると医師の説明が要領を得ないながら、そこの病院では末梢性の顔面神経麻痺の治療はしていないといった説明を受けた。そこで普段かかっている耳鼻科があるので受診すると、ステロイドとビタミン剤を10日分処方してもらい、医師から「10割治ることもあれば、8割治ることもある」と説明を受けた。不安になり知人から鍼治療が良いと言われて当院を調べて来院された。

 

<初診時>

顔面神経麻痺評価点数は40点満点の10点。患側の耳下が硬く腫れている。食べ物と水が口から洩れ、しゃべりにくくて目が乾くと言ったお話である。治療は腫れの消退を意識した施術を加えた。

 

<2回目>

外見上の顔の違和感は全くわからなくなっている。口が大分動くようになり、閉眼可能となり目が乾かなくなった。目の開閉スピードも左右変わらない。耳下の腫れた堅さも消失している。顔面神経麻痺評価点数30点

 

<3回目>顔面神経麻痺発症から25日。当院初診時から15日目

顔面神経麻痺評価点数36点。このまま治癒に向かうと判断して略治とした。

 

(考察)

顔面神経麻痺で始めにかかった病院が、「末梢性の顔面神経麻痺の治療はしない」と本当にそう言ったとは思えないが、実際にそこでの治療はなされず他の診療所にかかりなおしている。転院した診療所での説明にも不安をおぼえられたようだが、どちらの医師からも顔面神経麻痺評価点数チェックや、電気検査といった客観的な重度判定や、わかりやすい説明はされなかったようだ。顔面神経麻痺も軽度であれば短期間で後遺症も残さず治癒するので、客観的な重度判定さえすればこのような軽度な症例であれば、患者様を不安にさせることなく済んだはずである。

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