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コロナ流行の中を、週一泊2日連続して5ヶ月施術をおこなった顔面神経麻痺症例  30歳 男性

2ヶ月前の昼間仕事中に耳周囲に痛みが出て、その時はただの頭痛だと思っていたが、2日後にバイクに乗っていて目が閉じないことに気づき病院を受診した。そこで顔面神経麻痺と診断され抗ウィルス剤のみ処方された。不安に思い近医の耳鼻科で紹介状を書いてもらい大きな病院を受診して3週間の入院となった。入院して1週間ステロイド点滴をおこなった後、顔面神経麻痺の手術の必要があるかを診るために大学病院を受診した。そこで手術の必要は無いと診断された上でステロイド点滴を追加して受けることとなった。この間にMRI検査を3回し、造影剤でも撮り、血液検査、耳の検査、聴力検査、いずれも異常は見られなかった。顔面神経麻痺に対する電気検査も受けたが結果は聞かされていないが、当初正常の3割ぐらいで20日ほど前には6割ぐらいの状態と言われた。17年前に今回と反対側の顔面神経麻痺の既往歴がある。当院には船と新幹線を利用して来院された。

 

<初診時>

当院での顔面神経麻痺評価点数は20点。患側とは反対側の健側の顔に共同運動が見られ、17年前の顔面神経麻痺によるものなのか、今回の発症以前の顔の状態を知らないので健康側の共同運動の原因はわからない。2ヶ月経過して顔面神経麻痺評価点数的には20点あり、本来20点有ればパッと見た目は顔面神経麻痺とは判り難いことが多い。しかし顔のゆがみ、眉毛の高さと目の大きさに左右差が顕著で、口の歪みもはっきりわかる。顔面神経麻痺評価点数で見れば動きは良いが、見た目の状態とは反比例して点数ほどは良く見えない。施術は鍼灸のみをおこなった。他県在住で遠いが当院まで通院されるとのことなので、施術は週末に1泊して2日連続して施術をおこなうこととした。

 

<2回目>前回施術から6日後

昨日顔面神経麻痺の担当病院を受診してきたとのことであった。顔面神経麻痺評価点数は34点。共同運動が出ていると医師から言われたようである。40点満点基準の34点と言えば治療の必要のない治癒時の点数である。また共同運動は発症4ヶ月前後で出ることが多く、発症から2ヶ月しか経過していない患者の患側に共同運動はまだ見られない。だが以前に罹患経験のある健康側にはなぜか共同運動が見られており、医師は健康側の共同運動を見て勘違いして言った言葉と思える。しかし顔面神経麻痺評価点数34点はどう見ても理解に苦しむ点数であった。

 

<9回目> 顔面神経麻痺発症から3ヶ月  当院初診時から1ヶ月経過

顔面神経麻痺評価点数24点 患側の目がぎょろりと大きいという特徴が見られる。しかし動きは悪い。

 

<18回目> 顔面神経麻痺発症から4ヶ月  当院初診時から2ヶ月経過

顔面神経麻痺評価点数28点  顔の見た目のバランスが整ってきた 口中の食べ物残渣の片寄りも気にならない。

ただし強く閉眼するとつぶっていても頼りなさがある。

 

<27回目> 顔面神経麻痺発症から5ヶ月  当院初診から3ヶ月経過

顔面神経麻痺評価点数32点  患側の目のギョロッとした感じが失せ、目の大きさに差が無くなってきた。

 

<36回目> 顔面神経麻痺発症から6ヶ月  当院初診から4ヶ月経過

顔面神経麻痺評価点数36点 ウーの口をした時に少し歪む程度

 

<43回目> 顔面神経麻痺発症から7ヶ月  当院初診から5ヶ月が経過

顔面神経麻痺評価点数40点  略治とした

 

( 考察 )

当院初診当初から動きの内容的には良いが見た目は良くない状態で、特に患側の目がぎょろりとして大きい特徴があった。また健康側に共同運動が見られると言うのも特徴であった。通院が遠い為一泊して施術を受けるという悪条件の中で、キチッと施術を受けられたことが良い結果に繋がったと考えている。

 

 

 

 

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