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顔面再建手術担当の形成外科医師が、鍼灸治療の効果に驚かれた 顔面神経麻痺症例  55歳  女性

2週間前に歯痛と後頭部痛及び耳の周囲部に痛みが出現し、その翌朝うがいをしようとして顔の異常に気がついた。すぐに病院の救急外来を受診したが専門医が不在の為、発症の翌々日病院の耳鼻科を受診した。結果耳に異常は見られず顔面神経麻痺、ベル麻痺と診断され、その後1週間ステロイドの点滴を受けた。

顔面神経麻痺発症10日後の顔面神経麻痺評価点数は4点。電気検査では口周囲は0パーセント。目の周囲が少しといったかなり重症の結果となった。その為手術を勧められ手術可能な日にちを告げられた。しかしどうしても手術に抵抗があり、当院をネットで調べて来院された。

 

<初診時>

見た目の印象では口の歪みが特に際立っている。当院での顔面神経麻痺評価点数は4点。やはり重度である。施術は鍼灸治療を初めて経験したが、気持ちが良かったとのお話であった。

 

<経過>

患側を上にしての側臥位姿勢をとると、顔から鼻周囲がつらくなるため、側臥姿勢での施術は数分に限られた。

 

施術開始1ヶ月後顔面神経麻痺評価点数40点満点の10点(初め顔に漬け物石が載っているような感じがあったが、それは無くなった)

施術開始2ヶ月後顔面神経麻痺評価点数14点(閉眼時にまだ1ミリ弱瞼が開いている)

施術開始3ヶ月後顔面神経麻痺評価点数18点(閉眼可能となった)

施術開始4ヶ月後顔面神経麻痺評価点数22点(この頃から共同運動が出現)

施術開始6ヶ月後顔面神経麻痺評価点数24点(魔法瓶でこぼれずに水がのめるようになった)

施術開始9ヶ月後顔面神経麻痺評価点数26点(点数的には良くなっているが、仕事で数日間顔を緊張させると、顔の歪みが目立つようにある)

施術開始10ヶ月後顔面神経麻痺評価点数28点

施術開始12ヶ月後顔面神経麻痺評価点数30点(点数上は良くなっているが、顔が疲れ、患側の顔が重く、上唇とほうれい線が斜め上に上がり気味に見える。また眉毛が上がりが悪くなってきている。)

 

当院で来院施術状況は月に2回程度であり、歪みに対してもう少し改善出来ないか、一度形成外科(顔面神再建手術担当医師)に相談に行くことを勧めてみる。

 

当院施術開始から1年2ヶ月。形成外科を受診された。医師からは、「ハリ治療でこれほど良くなるとは知らなかった。顔面神経麻痺の再建手術をする必要は無い」と言われたと、報告を受けた。

 

<考察>

この症例は施術期間が1年8ヶ月の長期にわたり略治とした。特に症状の推移が今までの顔面神経麻痺症例の回復経過とは違った形であった。一般には後遺症の発現時期から安定時期に向かって症状は推移していくが、本症例では症状の固定時期と思われる発症後1年5ヶ月経ても尚、症状と点数の悪化時期があったりした。口周囲の電気検査が0パーセントだったこと。長時間にわたる顔の緊張作業をすること。来院状況に間隔が開いていたこと。患側を上にした側臥位での施術に制限があったことなど。が関係したのかもしれない。

 

 

 

 

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