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入れ歯が入らないほど顔の歪みがひどくなり心配して救急車を呼んだ  顔面神経麻痺症例   71歳 男性

1ヶ月ほど前、右耳周囲を触ると過敏な痛みを感じ、舌がざらざらして白くなり、ノドも痛くなってきたが、翌朝起きると顔が歪んでいてビックリしてしまった。口の歪みがひどくて入れ歯が収まらなくなっており、家族が心配してすぐに救急車を呼んだ。初めは脳神経外科に行きMRIとX-Pを撮り、血液検査をした。以前の検査で脳血管が細いことは言われており、今回さらに血管の流れが悪いことを指摘され、糖尿でインシュリン注射をしていることから、医師からタバコを止めるよう言われた。しかし脳血管と今回の顔の歪みとは直接の関係は無く、ベル麻痺と診断された。耳鼻科にも口内炎やノドの痛みで受診し。帯状疱疹が口の中に出たのではないかと、抗生物質を処方された。発症から1週間経ってブロック注射を行い、さらに1週間経ってからプレドニン(ステロイド)の内服薬を処方された。

発症から20日経って耳鼻科で電気(ENOG)検査を行い、重症だとのことで、手術を勧められた。

 

<初診時>

顔面神経麻痺発症から1ヶ月経過した。

いまだ手術を考慮中とのことであるがネットで調べ当院を来院された。

当院での顔面神経麻痺評価点数は6点。重度である。味覚は正常。一般に顔面神経麻痺にかかると眼を閉じにくくなるが、この患者様の場合は、眼がもともと細く小さくて、眼は閉じれる。しかし逆に開け難く涙が出て困る、また口の歪みのために大変しゃべり難い。

 

<4回目>

本日病院を受診し、顔面神経麻痺の手術は断ったとのことであった。その際医師から「少し目が開くようになっていますね」と言われた。

 

<9回目>

発症から約2ヶ月。当院受診から約1ヶ月経過。顔面神経麻痺評価点数8点。顔の見た目は少し良い。眼の開閉時に痛いとのことで、眼球のキズを疑い眼科受診を勧めた。

 

<24回目>

発症から4ヶ月経過。当院初診時から3ヶ月経過。顔面神経麻痺評価点数16点。

患側で物を食べれるようになり、瞬きも左右同時に揃っている。

 

<30回目>

顔面神経麻痺評価点数20点。顔面神経麻痺発症から約5ヶ月。顔はかなり正中に寄ってバランスが取れ、顔面神経麻痺とはわかりにくくなった。これまで上瞼が落ちてくるのでずーっとテープ止めをしていたのを外した。上唇の感覚が戻ってきて痺れ感を感じるとのことであったが、脳血管に問題がないかあらためて病院でしっかり検査してもらうようお願いした。

 

<34回目>

5日間入院して、心臓と脳血管の硬化を改めて指摘された。顔面神経麻痺評価点数22点

 

<38回>

発症から約8ヶ月経過。当初あれだけ曲がっていた口はほぼ均等に揃って見える。眼も左右差は見られなくなった。

ただし表情を作ると左右差はよくわかる。顔面神経麻痺評価点数24点

 

<46回>

顔面神経麻痺発症から10ヶ月経過。当院初診から9ヶ月が経過した。

顔面神経麻痺評価点数30点。

ここまで良くなれれば満足とのことで、略治とした

 

(考察)

早い段階から後遺症を意識して、細かなマッサージと表情筋運動をおこなってもらったことで、当院初診時の歪みと重症度のわりに、後遺症がさほど顕著に出ていなかった。ただし発症から10ヶ月時点でのことなので、今後後遺症の進行が予想される。そのため予防のマッサージと表情筋運動は引き続いて行うようお願いした。

重度の割に10ヶ月時点で30点になったのは、当院への定期的な通院と、精勤な表情筋運動とマッサージを行ってきた成果だと思える。今後の後遺症の進行によっては評価点数が下がり、共同運動が目立って来ることも十分あり得る。理想からはもう少し通院施術を続ける方が無難に思えるが、男の方で、さほど顔にこだわる年齢でもないことから、略治とした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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