指を広げる、字を書く、物を握る、手首をひねるなど少し動かすだけでズキンとした痛みが手首（腕関節）に走る。　３０才　女性

１０ヶ月ほど前から右手首（腕関節）の親指側の付け根を中心に腱鞘炎のような痛みが現れ、整形外科や整体など様々な治療を受けたが症状は悪くなるばかりである。整形外科では使い痛みだから使わないようにとの安静の指示を受けているが、全く改善されない。じっとしていても疼きがあり、親指は第２指に引っ付いたように広げられず、そーっと腕と指を動かしながらの不自由な日常を送っている。油断をして手を動かすとズキッとした激しい痛みが手首の親指側に現れるので、その時は手を押さえてじっとうずくまる様に痛みをこらえている。特に思い当たる原因は無いが、新幹線の車内販売をしていて、台車のブレーキ時に握る動作をしていた。しかし手首の痛みはその仕事を辞めて以後の話であり因果関係は不明である。
■所見
右手の拇指が第２指に引っ付いて広げられない。指や腕を動かす全ての動作が恐々としてゆっくりである。腕関節だけではなく第１指中手指節間関節から拇指球部にも痛みを訴えている。また圧痛もある。
■施術
[ 初診 ]
鍼灸治療のみをおこなった。治療直後「エッ」と患者様が声を上げた。１０ヶ月間第２指に引っ付いていた拇指が離れて、指を広げるパーの動作が出来るようになった。
[ 2回目 ]
時々ズキッとした痛みが走るが、その痛みが少し軽くなった。財布から小銭をつまむ動作が出来なかったが出来るようになった。
[ ３回目 ]
日常の中で右手首の痛みをさほど意識することがなくなった。
[ ５回目 ]
手首の痛みは日常動作の中で全く無くなった。完治とした。
■考察
整形外科をはじめ様々な治療をしても、手首の痛みは全く改善されなかったとの事であったが、当院での５回の治療で症状は完治した。当初は使い痛みが腱鞘炎発症に繋がったのだろうが、安静にしていても改善されなかったことからみても、また画一的な治療をしても効果は得られなかったことからみても、原因箇所の見極めがもっとも早く治る近道である。