リュウマチ様の関節変形と痛みを訴えるリュウマチ性多発筋痛症 　　８１才女性

両手首の変形と痛み（腕関節痛）および指関節痛。肘関節痛。膝関節痛。足趾は変形し、足首から足底と足趾にかけて痛みと張り付いた感じと痺れがある。これらの関節諸症状は眠っている時以外は疼く痛みがあり特に雨の日がつらい。手首から先の痛みは手袋をしないと疼くが触っても痛くない。しかし足首から先は触っても痛い。１０年ほど前から上記のような症状がある。他に糖尿病がある。また１年半前に転倒して骨盤にひびが入り３ヶ月ほど寝込んだ。
■診察
[ 初診 ]
諸関節局所への鍼灸治療と、中枢部に対する鍼灸及び遠絡療法をおこなった。
[ ２回目 ]
前回の治療後足全体と足底部の張り付いた感じが消失した。。
[ その後の経過 ]
週１回の治療間隔で今日まで３ヶ月半が経過し計１７回の治療をおこなった。諸関節の安静時の疼きは消失した。膝関節痛軽快。足の痺れ消失。足全体と足底部の張り付いたような感じ消失。手首から先は手袋をしないと疼きがあったがその症状も消失した。手首の痛みと足首の痛みも軽快している。「体全体の動きが軽くスムーズになった」と、ご本人とご家族からお聞きした。
■考察
リュウマチ性多発筋痛症は関節リュウマチと違い腰や肩などの大きな部位に痛みを訴えたり、リュウマチのように関節の腫れや変形はあまり見られないようです。しかしリュウマチ同様に朝の強張りや手や足の左右対称に症状がでるようです。私は３０年近く病院勤務をしてきた関係上リュウマチ患者を本当に沢山診させていただきました。この症例の患者様は両手首の関節の腫れと変形。両足関節から足趾の腫れと変形等私が今までに診させていただいたリュウマチ患者様となんら変わらない状態に見えました。したがってリュウマチに対すると同様に治療を行いましたが、そのことが良い結果につながっているようです。