半月板損傷による手術後の膝関節痛　　５２才　女性

左膝関節外側半月板の断裂が既往歴として元々有る中で、かなりの頻度でマラソン参加やママさんバレーにと、かなりハードに膝関節に負担をかけ続けてきた。その為膝関節を痛めることが度々あった。１ヶ月前に階段を登っていてグシュッと言う音と共に左膝に痛みが走り、膝が全く伸ばせなくなってしまった。すぐに病院を受診してＭＲＩを撮影し、左外側半月板損傷の為手術が必要と言われ、２０日後に左膝関節の手術をおこなった。オペ後１週間入院したが、半月板は複雑に断裂され、一部を修復したとの説明であった。また軟骨は虫食い状態でヒアルロンサンの注射ぐらいしか方法はないと説明されたようだ。手術１ヵ月後ぐらいから軽い運動をしても良いと医師から言われた。当院には退院後すぐに来院された。

■所見

左大腿部、下腿部共に前側を中心に筋肉が硬く張っている。手術は関節鏡でおこなっており、手術跡は少し盛り上がっているが熱感は無い。

[ 初診 ]

初診時は膝周囲の筋肉の張りを緩める目的で鍼灸治療をおこなった。治療後下肢の筋肉が緩み随分楽になったとのことである。

[ ２回目 ]

左膝関節の手術部を中心にした硬結と重みに対する治療をおこなった。治療後に膝関節部の曲がりと痛みと重さが随分楽になった。

[ ４回目 ]

自転車で１５ｋｍほど下肢の筋力強化の為に走行した。それ以後手術部を中心に痛み初め、病院を受診して水が溜まってるのがわかった。その場で膝関節の水を抜いたがそれ以後膝が重い。治療後膝関節の重さは消失した。

[ その後の経過 ]

養生と言った面では、自主トレでその後３回膝を痛めた。その度に一時的に膝症状は悪化したが、週1回の間隔で治療を継続し４ヶ月かかって略治となった。

スポーツ障害と言う言葉がある。本来健康に繋がる筈のスポーツで、オーバーユースその他で体を痛めてしまう病気のことです。今日本中至る所で市民マラソンが開催されている。マラソン好きの人は日本中に友達が出来るようで、友達に会うのを励みに、膝や足首など痛みを抱えながらマラソンに参加されている方も多くいます。その競技と長く付き合いたいなら、自身の障害部位の状態を把握し、競技までの日程と走行距離を考えて、無理と判断したら養生に専念することであろう。