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加齢による腰の曲がりと腰痛・脊柱管狭窄症 (89歳 男性)

長年の慢性的な腰痛があり、病院では脊柱管狭窄症という病名がついている89歳の男性が来院された。「少し歩くと前屈みの姿勢になってしまい腰が痛くて伸ばしづらいし、歩くのがとてもつらい。医者からは年を取っているのでそれが原因だと言われた」とのお話であった。脊柱管狭窄症という病名がついているようだが、臀部には神経痛様の痛みはあるが大腿部や下腿部には痛みや痺れはない。今まで病院や整骨院やカイロプラクティック院にまで行って治療を受けてきたが、まったく効果が無いとのお話であった。

■診察
[ 初診 ]
臀部には神経痛様の痛みと坐骨神経に沿った圧痛がある。また腰椎の曲がりも長い年月が経過した亀背様で、背部の筋肉が石のように硬い状態である。あらゆる動作が加齢に加えて痛みを庇う為に緩慢である。訴えが広範囲で愁訴を取るのに時間と根気が必要な部分は後回しにして、初回は左腰臀部にあるもっともつらい坐骨神経系路上の痛みを取ることを主眼に側臥位で鍼灸治療をおこない座位で遠絡療法をおこなった。治療後は臀部の痛みがほとんど軽快した。

[ 経過 ]
3日間隔で4回治療を行ない、痛みを中心にした愁訴は軽快した。しかし数十年かかって硬くなった背部の筋肉と、腰の曲がりは気長な治療を要する為、週2回の定期的な治療をお勧めした。その後は8ヶ月にわたり腰背部の曲がりと筋肉の硬さを緩める治療をおこなった。その成果として腰背部の痛みがほとんどなくなり、日常の動作が随分と早くできるようになった。
この方は病気の奥さんとの二人暮しで、高齢に関わらず家事全般をお一人でされており、ご自身の痛みを克服する必要性があった。

■考察
加齢による関節や筋肉の変形がADLに大きな影響を与えることは当然で、それが老いるということなんだろう。老老介護の中で、鍼灸師がどのように関わることが出来るか。私の以前の勤め先では往診にかなりの比重を置いていたが、今後はそういった方向にも力を入れて行きたいと考えている。

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