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中国(北京)赴任中に顔面神経麻痺が発症 42歳 男性

28日前に仕事先の中国(北京)で顔面神経麻痺を発症した。はじめは自分の顔に何が起きたのか理解が出来ず、帯状疱疹か風邪か風疹かなどと思い、自宅(ホテル)で安静にしていた。しかし口から水がこぼれる等、顔の状態があまりにも異常な為、慣れない外国の地でどこの病院にかかれば良いのかという所から懸命に手探り状態で病院を捜した。外国人を主に診療してくれるクリニックが見つかり、日本人の医師の診察を受けることが出来た。顔面神経麻痺の治療は日本の病院とさほど変わりなく、3日間ステロイドの点滴を受け、ステロイドの薬とビタミン剤をもらった。日本と違うのは医師から「顔面神経麻痺には鍼灸治療が良い」と鍼灸治療をするように勧められた点だ。中国には半年間の赴任予定で、帰国間近に顔面神経麻痺が発症したため、中国では鍼灸治療を3回受けたのみで帰国した。さっそく当院をネットで調べ来院されたという経過である。

■診察
[ 初診 ]
40点法でのスコアーは24点ある。耳鳴り・耳内のこもった感じ(-) 味覚異常(-) 流涙(-) 額のしわ寄せ、閉眼、頬を膨らますなどは部分麻痺といった状態である。食事は意識して食べればこぼさず食べれる。
治療は鍼と遠絡療法を併用しておこなった。

[ 経過 ]
当院での治療は、仕事の関係から週1回から2回の間隔でおこなった。経過は大変順調であった。
[ 2回目]
完全閉眼が可能となった。
[ 4回目]
額のシワ寄せ太い細いの左右差は有るが可能。眉の高さ左右揃う。鼻翼がよく動く。
ストローでの給水正常。コップでの給水は少し気をつける。軽い閉眼ほぼ正常。
[ 5回目]
40点法でスコアー34点となった。鼻翼が驚くほど大きく動く。
[ 6回目]
40点法で40点。発症から2ヶ月足らずで完治となった。

■考察
この患者の場合、顔面神経の圧迫された深度が浅かった為、大変順調な経過をたどった。中国での鍼灸治療のツボの選択が手に取るようにわかり、面白かったとも言える。ともかく完治して帰っていただくことは、治療者として無常の喜びである。

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